はじめに
はじめまして、採用担当のSです。
就職活動をする学生、新卒採用をする企業にとって、今や欠かせないサービスに成長している就職情報サイト『マイナビ』。今回はそのプロダクトの立ち上げから、現在に至るまでの物語を立ち上げフェーズに関わった事業部長と、今まさに最前線でサービス運用に関わっている現場社員による座談会形式でお届けいたします。
※取材・撮影は、感染防止に配慮した現場環境にて実施しております。
プロフィール
(T・K) ※写真右 HRシステム事業部 事業部長 1989年新卒入社。就職情報事業の営業を経験した後、1996年に企画調査課に異動し、就職サイトの担当となる。1999年、現在の『マイナビ20XX』の原型となる就職サイト『毎日就職ナビ』の立ち上げに参画し、要件定義等を担当。その後、システム統括本部 商用システム部長、システム統括本部長を経て現職に。
(S・N) ※写真左 HRシステム事業部 2016年に新卒でSIerに入社。客先常駐で4年間開発に携わる中で、自社サービスに携わる面白さを知り、2021年3月マイナビに転職。その後、『マイナビ』などの運用開発を担うHRシステム事業部で、要件定義・画面設計等の上流工程を担当。各事業部からの要望を反映したシステム改修に従事。
データベース化で「1999年のブレークスルー」を実現
(採用S)まずはT・Kさんに『マイナビ』サイト立ち上げの経緯から伺いたいと思います。長くなりそうですね(笑)。
(T・K)25年前にさかのぼりますからね…。まだマイナビという社名ではなく、毎日コミュニケーションズという会社でした。「就活」という言葉さえなかったはずです。当時は求人広告を掲載した分厚い冊子が郵送されてきて、学生は資料請求ハガキを企業に送ってエントリーしていました。インターネットが普及し始めたため、この仕組みをWeb化しようという動きがあり、私が所属していた企画調査課が『Career Space』というサイトを立ち上げました。1995年12月のこと。これが『マイナビ』発祥です。
(S・N)その瞬間に立ち合われたんですね! 当時はどんな機能があったんですか? 検索してエントリーという流れは今と同じでしょうか?
(T・K)Google創業前の時代というのをご存知ですか?(笑) 検索はできましたが、Googleのような「キーワード検索」ではなく、手作業でコンテンツを登録する「ディレクトリ型検索」でした。各企業の求人情報のページがあり、エントリーボタンを押すと、メール送信プログラムが立ち上がるという仕様です。
静的なHTMLサイトのみではマネタイズに限界があったため、データベース化してリニューアルしたのが、1999年リリースの『毎日就職ナビ』です。正直、営業から企画調査課に異動になった当初は「インターネットはマネタイズしにくい」と思っていました。私だけでなく、多くの人が懐疑的だったんです。しかし、全国の営業とミーティングを重ねて作った『毎日就職ナビ1999』の反応がよく、これが転機となって「いける」と実感できるようになりました。
部門を超えた協力体制で「No.1就職サイト」へ
(採用S)『マイナビ』サイト立ち上げに携わる中で、苦労されたことはなんでしょうか?
(T・K)当初7名ほどの限られたリソースで開発にあたっていましたが、前例がない試みだったため手探りで進めるしかありません。自身の手がけた要件定義が本当に正しかったのかと自問自答の毎日で、働く時間も自然に増えていきました。当初は紙媒体の売上が大半だったため、「必ずネットで就活する時代が来る」「数年で紙媒体の売上を抜ける」と、営業の意識を変えることにも苦労がありました。
(採用S)その後の成長は目覚ましかったですよね。2011年には社名もマイナビになりました。『マイナビ』サイトが就活のインフラに成長できた要因は何だと思われますか?
(T・K)裏側の仕組みで言えば、データベースサイト化によるビジネスモデルの確立、そして、大学マスタの整備などがあげられます。組織として特に大きいのは、営業と一体となって開発に取り組んできたことでしょう。
営業の汲み上げた企業の要望を開発に反映し、その成果がコンテンツ力アップにつながっています。収益力も含めて「No.1の就職サイトにしよう」という意識を、部門を超えて徹底的に共有できたのは『マイナビ』ならではの強みだと思います。『毎日就職ナビ1999』以降はしばらく別部門にいたのですが、就職サイトNo.1になった時は感慨深かったですね。
エンジニアの姿勢に「ユーザーファースト」を実感!
(採用S)S・Nさんの『マイナビ20XX』との出会い、そしてマイナビに中途入社された経緯をお聞かせください。
(S・N)
もちろん就活の際はお世話になりました。「就活って何をすればいいのだろう?」「自分に合った企業を探すにはどうすればいいのだろう?」といった初歩的な段階から不安を解消してくれる優しいサイトのイメージでした。大学での専攻は情報系だったので、最新で複雑なシステムが使われてるんだろうなあ…とも思っていました。誰もが知っている大手企業ですし、まさか自分が後に入社して開発することになろうとは(笑)。
新卒ではSIerに入社し、4年ほど客先常駐で開発に取り組んでいました。その中で自社サービスに携わる面白さを知ったのが、マイナビに転職したきっかけです。
(採用S)実際にエンジニアとして『マイナビ20XX』を中からご覧になって、「マイナビならでは」と感じたことはありますか?
(S・N) システム的には良い意味で、最新でも複雑でもなかったため安堵しました。使い勝手もシンプルですが、設計もシンプルで全体像が把握しやすいシステムです。開発環境やソフトも前職と近く、馴染みやすかったですね。直感的に使えるUI/UXなど、もともとユーザーファーストへのこだわりを感じていたのですが、実際に運用開発に携わってみて、あらためてその徹底ぶりを実感しています。
例えば、新たに実装してリリースした機能について「使いづらい」というユーザーの指摘が寄せられた時、あっという間に削除が決まりました。せっかく実装したのだから…と思いがちですが、ユーザーファーストで即決でしたね。
真面目にユーザーに寄り添い、シンプルにカタチにするDNA
(採用S)『マイナビ20XX』は今後どう変わっていくのでしょうか? 変わるもの、変わらないものがありそうですね?
(T・K) S・Nさんが指摘してくれた「シンプル」は、立ち上げ当初から貫かれている設計理念です。「ユーザーファースト」も大切にしてきた姿勢です。真面目にユーザーに寄り添って、使いやすいサイトを作る。このDNAは変えたくないですね。
(S・N) 私自身、今の学生や企業が実際にどうサイトを使っているのか、把握しきれているとは言い難いので、OB訪問などの機会を活かして、個人的にヒアリングしています。入社したばかりだからこそ「なぜ?」とか「こうしたほうがいい」と思うことも多いのですが、そうした意見を自由に発信でき、きちんと議論できる社風があるのは嬉しいですね。
(T・K) 現状では競合や周辺のサービスも多く、ユーザーは複数のサイトを選んで使い分けています。『マイナビ』だけでワンストップで完結できるようなサービスを実現したいですね。
また、毎年必ず70万人が登録してくれるサイトは、本当に貴重な財産です。『マイナビ』サイトを核にしたデータの利活用という面でも、まだまだ大きな可能性を秘めています。あくまで真面目にユーザーに寄り添い、これからもサイトの価値を上げ、世界を広げていきます。
(S・N) コロナ禍では、オンライン面談やセミナーというニーズが新たに生まれました。これからもシステムの改善などを通じて、時代の変化や苦境、不便に柔軟に対応し、マイナビがより一層、学生と企業の架け橋となれるよう貢献したいですね。
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※所属を含む掲載内容は取材当時のものです。